【肉】再び流行したエボラ出血熱 浮かび上がる「ブッシュミート」の危険性

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190610-00010000-globeplus-int
 13年前の2006年6月、西アフリカのコートジボワールで取材中にマラリアに罹患した。40度を超える高熱を発し、意識朦朧とした状態で数日間入院した。
マラリアは熱帯に生息するハマダラ蚊によって媒介され、原虫が体内に入ることで罹患する。
2018年11月公表の世界保健機関(WHO)の報告によると、2017年の1年間に約2億2000万人が感染して推計43万5000人が死亡しており、
感染者が最も多い地域がアフリカである。

アフリカの人々を苦しめている感染症マラリアだけではない。
広い地域が熱帯に属するアフリカには多種多様な感染症が存在し、人々に対する重大な脅威となっている。
なかでも致死率が50%前後に達するエボラ出血熱は、感染力が非常に強く、対症療法しかない深刻なウイルス性の感染症である。
2013年末から2016年初頭にかけてのギニアリベリアシエラレオネの西アフリカ3カ国での感染爆発は、1976年にエボラウイルス
最初に確認されて以降最大の被害をもたらし、死者は1万1000人を超えた。

そして現在、アフリカ中部のコンゴ民主共和国で再び流行がみられ、WHOによると、5月初旬時点で死者は1000人を超えている。
エボラウイルスは人間から人間だけでなく、動物から人間にも感染する。
ウイルスの自然宿主は特定されていないが、これまでの研究では、アフリカの森林に生息するウマヅラコウモリなどの可能性が指摘されている。
西アフリカ3カ国での感染爆発はギニア南部の村落が発生源とみられたが、この地域は食用のためのコウモリ猟が盛んであることで知られ、
最初の患者の家族は食用コウモリの狩猟に従事していた。

この結果、エボラウイルスの人間への感染源として近年注目を浴びるようになったのが、アフリカ大陸の中央部から西部にかけての熱帯雨林地域で
人々に食されている野生動物の肉「bushmeat(ブッシュミート)」である。

エボラウイルスは加熱で死滅するので、十分に調理されたブッシュミートを食べた人がウイルスに感染する確率は非常に低い。
野生動物から人への感染は、ハンターがウイルスに感染した野生動物を捕獲し、解体時に血液に触れるタイミングが最も多いと考えられる。
一度ウイルスが人間に感染すると、患者の血液や体液に接触することにより、人間から人間への感染が広がっていくのである。

■ブッシュミートがビジネスに
 1976年の最初の患者はスーダン南部(現南スーダン共和国)で働いていたザイール(現コンゴ民主共和国)出身の男性で、
この男性の出身地を流れるエボラ川の名前からエボラ出血熱命名された。
鼻や口などの粘膜や臓器から出血するこの病気は人々の恐怖の的となったが、1977、1979年に発生が報告された後、
15年にわたって新たな感染報告はなかった。

しかし、1994年にアフリカ中西部のガボンで再び感染が確認されて以降、発生頻度が急激に上昇し、2000年以降は
2013年末~2016年初頭の西アフリカでの感染爆発を含めて15回もの流行が確認されている。

なぜ1990年代以降、エボラ出血熱の発生頻度が急上昇したのだろうか。
公衆衛生学の専門家や感染症研究者の間での一つの仮説は、1990年代ごろからアフリカの熱帯雨林地域における野生動物の狩猟が拡大し、
人々がブッシュミートに触れる機会が急増したからではないかというものだ。

農作物や家畜の生産・消費量が国連食糧農業機関(FAO)や各国政府によって比較的正確に把握されているのに対し、
ブッシュミートについては全体状況を把握できる統計が存在せず、研究者が特定地域を不定期に調査しているのが実情だ。
そうした統計の限界を自覚したうえで様々な研究成果に目を通していくと、アフリカ大陸の熱帯雨林地域では膨大な野生動物が狩猟の対象となり、
ブッシュミートとして消費されている実態が浮かび上がる。

生物多様性条約事務局の調査チームによる2011年の研究によると、アフリカ大陸中央部の熱帯雨林地域に位置するコンゴ盆地における
ブッシュミートの捕獲量は、推定で年間450万~490万トンに達した。
これは、南米の熱帯雨林地域であるアマゾン川流域での年間推定量120万トンのほぼ4倍にあたる。

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