【鉄道】「富士山登山鉄道」構想がいよいよ発車 霊峰の麓から5合目

富士山の山梨県側の麓と5合目を結ぶ「富士山登山鉄道」構想が再び動き出した。

1月の知事選で初当選した長崎幸太郎知事の「検討する」という公約を受けて、県は有識者による勉強会を開き、6月補正予算案に基本構想策定費として約4175万円を盛り込んだ。
2年後をめどに基本構想をまとめる方針だ。

戦前から構想

富士山を鉄道で登るという構想は戦前からあり、山腹に穴を開けてケーブルカーを通す「モグラ鉄道」などが考えられた。
戦後の昭和38年には富士急行が5合目から山頂までの地下ケーブルカー建設を国に申請し、取り下げている。

また、平成27年には富士急などの企業や観光協会自治体でつくる富士五湖観光連盟の検討会が、富士河口湖町と5合目をつなぐ有料道路「富士スバルライン」に線路を敷くという案を提言した。
ただ、常に「霊峰」の開発に対する反対論があった。

関係者によると、今回の構想検討は首相官邸筋から長崎氏に依頼があったという。

5月22日に東京都内で開かれた勉強会には、青柳正規文化庁長官、岩村敬元国土交通事務次官山東昭子参院副議長、
島田晴雄首都大学東京理事長や、喜勢陽一JR東日本常務の代理ら政財界やマスコミなど各界の有識者が出席した。

県は勉強会を検討会に格上げし、参院選後なるべく早い時期に初会合を開きたい考えだ。

事業主体は民間

建設には数百億円とも2000億円ともいわれる多大な費用がかかる。
担当の藤巻美文知事政策補佐官は「県の仕事は知事の公約である『構想の検討』。
県営鉄道になることはあり得ない。後は民間がやること」と説明する。

事業主体については地元関係者らの間で憶測を呼んでいる。
富士山登山鉄道は富士急が積極的な構想と受け止められてきたが、富士急のオーナー一族である堀内家とかつて選挙で争ってきた長崎氏が今は推進しているからだ。

県幹部は「特定の企業が事業にどう関与するかという問題ではない。オールジャパン、そして世界の企業が入る壮大な事業になるだろう」と話す。

構想が固まっても、ヘアピンカーブや急勾配を鉄道が走れるのかという技術的な問題や、世界遺産である富士山を開発することがどこまで許されるのかという課題がある。

勉強会で日枝久フジサンケイグループ代表は、天皇陛下が皇太子時代に登山専門誌に書かれた次の一節を紹介した。

「富士山の自然が守られ、今後何世代にもわたり、人々が富士山の美しさを享受できるよう心から願わずにはいられない」

自然を守ることを大前提に富士山の恩恵を受ける。それが勉強会メンバーの共通認識だ。

https://news.livedoor.com/article/detail/16595810/
2019年6月10日 12時56分 産経新聞

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