【建設/田舎】高層・高額マンション 長野中心部に続々…20階建ての「県内最高層」をうたい、価格は7800万円台に上る物件も

高層・高額マンション 長野中心部に続々

 長野市中心部で高層、高価格のマンション建設が相次いでいる。
分譲業者によると、20階建ての「県内最高層」をうたい、
価格は7800万円台に上る物件も登場。2020年の東京五輪などに伴う
建設需要の高まりで分譲価格が高騰し、郊外では割高で買い手が付かないため、
業者は高額でも利便性を求める年配の高所得者層をターゲットに定める。
一方、周辺地域からこうしたマンションに住み替えを検討する住民は
少なくないとみられ、市は空き家、空き室が増えないか注視している。

 現在、市中心部では、市役所近くに完成間近の13階建て(38戸)、
国道406号(平林街道)沿いに来年以降完成予定の20階建て(129戸)、
長野駅に近い中央通り沿いに地上14階地下1階の店舗兼マンション(109戸)が
それぞれ建設中だ=地図。

 「郊外で3千万円の部屋は売れないが、街なかで5千万円なら売れる」。
市役所近くのマンションが10月に完成予定の穴吹工務店高松市)の
担当者は、最近の市場の動向をそう説明する。

 同社はこれまで郊外を中心に2千万?3500万円台のマンションを主に
分譲。だが、近年は建築コストの上昇を受け、3千万?4500万円台を
中心に便利な市街地の物件に切り替えているという。市役所近くのマンションは
全戸が既に成約。購入客は年配の高所得者層が中心という。

 タカラレーベン(東京)が「県内最高層」をうたい平林街道沿いに建設を
進める20階建ては、同社が市中心部に建設するマンションとしては3棟目。
最も多い価格帯は3500万円台だが、最上階などの3LDKは7800万円台だ。
ボウリング場だった広い敷地を確保できたことで高層化が可能になった。

 現在、第2期まで計84戸の分譲の受け付けが予定より早く終了。購入層は
幅広いものの「子どもが自立して一戸建てを持て余す夫婦や、利便性を求める
お年寄りの住み替えも目立つ」とする。

 長野駅近くの物件を手掛けるマリモ(広島市)も分譲はこれからだが
中心市街地は人が集まる」と強気だ。地元も「人口が増えるのはいいこと」
長野駅に近い南石堂町の森良彦区長)とおおむね歓迎ムードだ。

 分譲業者によると、こうしたマンションの購入者には市内の住民の住み替えが
目立つという。空き家対策に取り組む市建築指導課は「中心部のマンション
建設と周辺部の空き家増は表裏一体」とみて動向を注視している。

信濃毎日新聞(6月9日)
https://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20190609/KT190607FTI090003000.php

建設中の高層マンション
https://www.shinmai.co.jp/news/nagano/news-image/IP190608TAN000194000.jpg

長野市中心部で建設が進む20階建てマンション(中央)。
「県内最高層」をうたい、7800万円台の部屋も用意するという
https://www.shinmai.co.jp/news/nagano/news-image/IP190607TAN000344000.jpg