【札幌2歳女児虐待死】なぜ幼い命は“またも”救えなかったのか…児相と警察で食い違う言い分 「臨検」実施件数は10年間で17件

女児が衰弱死 母親と交際相手の男性が傷害の疑いで逮捕された事件
警察からの面会同行を拒否…児相の対応に問題は?
児相が強制力持つ立ち入り調査「臨検」に踏み切れない理由とは

■女児衰弱死…一連の対応に児相が会見

今月5日、札幌市で池田詩梨(ことり)ちゃん(2)が衰弱死し、母親の池田莉菜容疑者(21)と、交際相手の藤原一弥容疑者(24)が傷害の疑いで逮捕された事件。
10日、児童相談所が一連の対応についての会見を行った。

5月13日午後10時ごろ、池田容疑者と面会しようとした警察の同行要請に対し「夜間のため人繰りが厳しい」ことを理由に同行しなかった児相側。
その2日後、警察から「池田容疑者と面会する約束がとれた」との連絡が入った際には…

札幌市児童相談所・高橋誠所長:
児相が一緒にいると、また機嫌を損ねて会うことすらできない。児相が一緒に入ることを最終的には遠慮してくれというかたちで、我々は同行しておりません。

最終的に、警察から同行を拒否されたという児相側。
その後、単独で面会をした警察から「詩梨ちゃんに小さな怪我やあざはあるが、虐待の疑いはない」との報告を受け、虐待なしと判断したという。

■強制力持つ「臨検」はなぜ行われなかったのか

一方で、取材を進める中で警察側が「臨検」を提案していたにも関わらず、児相側が応じていなかったことも判明。

「臨検」とは、虐待の疑いがあり親が面会を拒否している家庭にも、裁判所の許可を得て強制的に行える立ち入り調査のこと。
2014年に行われた茨城県警と児童相談所が行った訓練では、立ち入りを拒む母親に対し、職員がドアチェーンを切って踏み込む様子が見られたが、このように強制力を伴う臨検が、なぜ今回行われなかったのか。

児相側は「(警察とやりとりした)当人は、臨検捜索をしませんかというふうには、少なくとも受け取っていない状況」と説明。
また、連絡そのものが取れない状態が続いた池田容疑者に対し、臨検の前段階である「家庭への立ち入り」を行っていないため「臨検にはいきなりは飛びつきません」と説明した。

■増加する虐待…一方で「臨検」実施はわずか

児童相談所による虐待への対応件数を見てみると、2008年の段階では5万件以下だった対応件数が2017年には約13万4000件と、10年近くで約3倍まで増加。
一方で、臨検が実施された件数は、最も多かった2017年でも5件となっている。

約20年間児童相談所に勤務し、自身も臨検に立ち会ったことがあるという山脇由貴子さんによると「これまで築いてきた保護者との関係が壊れ、その後の対応が困難になる」ことを懸念し、臨検に踏み切ることができずにいるのだという。
しかし同時に「今回のケースのように警察からの同行要請があることは数少なく、それを拒否したことはあり得ない対応」と指摘する。

風間晋解説委員:
保護者との関係が崩れることが懸念されるから、というが(詩梨ちゃんの場合は)児相にとって保護者と連絡が取れていない関係なわけですよね。それを崩さないということがそんなに大事なことなのかな、というのがまず疑問じゃないですか。

それと、児相の任務というか仕事の基本というのが、やはり今、そこに児童虐待があるかどうかを直接確認するということだと思うんです。それに対する気概が全然、伝わってこないんですね。
警察に言われたから警察にお任せしましたということだったら、ある意味「児相なんかいらない」という話になりかねないので、そこはもう一度考え直してもらわないといけないなと思いますけどね。

少なくとも臨検の前段階である「立ち入り」というステージにすぐにも行こうという、そういう気持ちがなかったのはおかしくないかと思いますよね。

児相の“切り札”ともいえる「臨検」をめぐり、食い違う認識。
なぜ幼い命は救えなかったのか、今一度考えたい。

2019年6月10日 月曜 午後6:32 FNN
https://www.fnn.jp/posts/00046705HDK/201906101832_livenewsit_HDK

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