【ブレグジット】ジョンソン前英外相、EU離脱清算金支払い留保で交渉条件引き上げへ EU関係者は「デフォルトに等しい」と反発

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190610-00000005-reut-eurp
 英次期首相の座を巡って実施される与党・保守党党首選で最有力候補と目されているジョンソン前外相は9日、サンデー・タイムズ紙のインタビューで、
欧州連合(EU)離脱でより良い条件を引き出すため、離脱に伴う「清算金」の支払いを留保する考えを示した。

ジョンソン氏は「われわれの友人やパートナーは、(EU離脱について)この先の道のりをより明確にできるまで、
清算金は支払われないと理解する必要がある。(英国にとって)適切な合意を得る上で、清算金は素晴らしい解決手段であり、潤滑油だ」と語った。
メイ首相は昨年、ブレグジット(英のEU離脱)に際して390億ポンド(500億ドル)の清算金を払うことで合意している。

このためフランスのマクロン大統領に近い筋は、清算金の不払いはソブリン債のデフォルト(債務不履行)に等しい行為だと反発。
別の関係者もロイターに「支払い義務をないがしろにするのは、国際的な約束を果たさないことで、デフォルトと同じだ。
その結果がどうなるかは誰でも分かる」とけん制した。

ジョンソン氏と保守党党首を争う主なライバルであるゴーブ環境相、ハント外相、ジャビド内相も、EU離脱の再交渉を希望しているが、
清算金の支払い問題を交渉手段にしようという意向は誰も持っていない。

 またジョンソン氏は、アイルランド国境問題に関しては長期的な合意の一環としてのみ解決されるべきだと主張し、
メイ氏がEUとまとめた北アイルランドの開かれた国境を維持するための「安全策」の受け入れを拒否した。
ジョンソン氏は、このインタビューが公表された直後、保守党内の強硬なEU懐疑派に大きな影響力を持つスティーブ・ベーカー氏の支持を取り付けた。