香港、大規模デモの民主派団体が会見「国際社会の支援を」

2019年6月10日 20時35分
香港で9日、容疑者の身柄を中国本土にも引き渡せるようにする条例の改正に反対して大規模なデモを呼びかけた民主派団体のメンバーが来日し、「中国政府が自分たちの好まない人物を犯罪者に仕立て上げ、引き渡しを求めることが可能になってしまう」として、国際社会に支援を呼びかけました。

5年前、香港で民主的な選挙の実現を求めた大規模な抗議活動「雨傘運動」の中心メンバーの1人で、9日のデモにも参加した民主派団体の周庭さんが10日、日本記者クラブで会見しました。

この中で周さんは「ふだんならデモに参加しない人たちや若い人たちが多く、特別な雰囲気があった。歴史をつくったと感じたが、香港政府は無視して条例の改正を進めようとしていて、私たちは非常に怒っている」と述べました。

そして条例の改正案について、「香港が返還されてから最も危険な法案だと思う。中国政府が自分たちの好まない人物を犯罪者に仕立て上げ、香港政府に引き渡しを求めることが可能になってしまう」として、強い危機感を示しました。

そのうえで、「条例が改正されれば、香港に住んでいたり、旅行で訪れたりする日本人も影響を受ける。日本は香港と緊密な関係にあり、人の往来も盛んなので、条例の改正案にもっと注目し、香港政府に撤回させるように圧力をかけてほしい。国際社会の力を借りたい」と述べて、改正案の撤回に向けて国際社会に支援を呼びかけました。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190610/k10011947851000.html
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