【イラン・北朝鮮】核問題協議=IAEAが理事会[6/10]

【ウィーン時事】国際原子力機関IAEA)は10日、ウィーンの本部で定例の理事会を開き、崩壊の危機に直面しているイラン核合意や、北朝鮮の非核化について協議する。

 米国が核合意を離脱し制裁を再開したことに不満を募らせるイランは5月8日、合意を維持する英独仏などに対し、60日以内に制裁の影響を緩和する対策が実施されなければ、合意で定められたウラン濃縮や重水貯蔵量に関する制限を順守しないと警告。5月20日には、低濃縮ウランの製造能力を4倍にすると表明した。

 ただ、IAEAは5月末にまとめた報告書で、イランは現時点では合意を順守していると判断している。

 核合意が崩壊し、イランによる核開発の透明性が失われれば、中東全体の不安定化につながる。情勢悪化を懸念する英独仏は、米、イラン双方に合意維持を要請。安倍晋三首相も、両国の仲介を目指して12日から3日間の日程でイランを訪問する。

 一方、北朝鮮についてIAEAは「政治的合意があれば、非核化検証のための現地査察に入る」との立場。米朝の非核化交渉が暗礁に乗り上げる中、十分な査察ができない状況が続いている。

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乗りものニュース 2019.06.10(時事通信記事)