【訃報】恋愛小説の名手、田辺聖子さん死去…91歳 「姥ざかり」「ジョゼと虎と魚たち」「芋たこなんきん」など

https://news.biglobe.ne.jp/entertainment/0610/ym_190610_5389942859.html
6月10日(月)14時16分

「姥ざかり」「ジョゼと虎と魚たち」など恋愛小説の名手として知られた作家の田辺聖子さんが6日、胆管炎で死去した。91歳だった。

他ソース
https://www.asahi.com/articles/ASM6B4JXRM6BPTFC00V.html
2019年6月10日14時21分

大阪市生まれ。写真館だった実家が戦災で焼失し、敗戦直後に父が死去した。樟蔭女子専門学校(現・大阪樟蔭女子大)卒業後、大阪の金物問屋に就職。一家の生計を支えながら小説を書き、大阪文学学校にも通った。

 1957年、女の一生を生き生きとした大阪弁で描いた「花狩(はながり)」が雑誌の懸賞小説に佳作入選してデビュー。64年、放送作家の女性と党員の男性の恋を、女性の男友達の醒(さ)めた視点でつづる「感傷旅行(センチメンタル・ジャーニィ)」で芥川賞を受賞した。

 その後、鋭い人間観察をユーモアでくるんだ多くの作品を発表。恋愛小説では自立する独身女性、ドラマ化された「姥(うば)ざかり」シリーズでは老後を楽しむ女性ら、時代を先取りする人物を描いた。

 「カモカのおっちゃん」のモデルとして親しまれた夫の故・川野純夫さんとの生活を軽妙につづったシリーズや、社会風刺の利いたユーモラスなエッセーも人気を集めた。「ひねくれ一茶」(93年吉川英治文学賞)、「道頓堀の雨に別れて以来なり 川柳作家・岸本水府(すいふ)とその時代」(98年泉鏡花文学賞ほか)など評論・伝記文学でも高い評価を得た。「源氏物語」など王朝文学の翻案にも力を注いだ。

 2006年度朝日賞。94年菊池寛賞、95年紫綬褒章、00年文化功労者、08年文化勲章受章。NHKの朝の連続テレビ小説芋たこなんきん」(06~07年)では、主人公のモデルとなった。

https://www.asahicom.jp/articles/images/AS20190610001748_comm.jpg