【中国経済】中国外貨準備高、5月は3.1兆ドル 前月から予想外に増加【ホンマでっか?】

[北京 10日 ロイター] - 中国人民銀行中央銀行)が発表した5月末時点の外貨準備高は、前月末から60億ドル増加し、3兆1010億ドルとなった。予想外の増加で、人民銀が人民元の急落阻止に向けて行った為替介入が小規模にとどまったことを示した。

ロイターのエコノミスト調査では外貨準備は50億ドル減少し3兆0900億ドルになると予想されていた。

中国国家外貨管理局(SAFE)は、外貨準備の増加について、バリュエーション効果や資産価格の変化が要因だと説明。

中国経済の健全なファンダメンタルズ(基礎的条件)が外国為替市場での操作を支え、外貨準備の安定に確固たる根拠を与える見通しだと表明した。

5月は米中貿易摩擦が予想外にエスカレートし、人民元の下落圧力が強まった。

人民元は5月に対ドルで2.5%安と2018年半ば以来最大の月間下落率を記録した。

人民銀は元相場を下支えするため、元の日々の対ドル基準値を元高方向に設定したが、市場への介入は5月下旬に元相場が節目となる1ドル=7元に近づくまで行わなかったとみられる。この結果、中国政府は米国による関税引き上げへの対抗措置を検討するなか、元安を容認しているとの観測が強まった。

中国国際金融(CICC)のアナリストらは5月の外貨準備高が発表される前に出した調査ノートで、資本流出による元相場への下押し圧力が多少ある可能性を指摘。ただ、5月に米国債利回りは低下したため、中国が外貨準備で保有する米国債の価値が上昇した可能性があるとした。

金準備は、4月末の783億5000万ドルから798億3000万ドルに増加した。

2019年6月10日 / 10:36
ロイター
https://jp.reuters.com/article/china-foreigncurrencyreserves-idJPKCN1TB02W