【芸能】 スマイリーキクチ氏が語る 「誰もが中傷の加害者(犯罪)になりうるSNSの怖さ。 リツイートにも発信の責任がある」

ある日突然、「殺人犯」に仕立て上げられ、インターネット上での誹謗中傷に10年以上苦しんだスマイリーキクチ氏。
現在は自著をきっかけに、企業や教育機関で「ネット社会」の怖さや危うさを伝える活動を行っている。

彼が、デジタルネイティブである中高生の未来に思うこととは――。

子どもたちに、いま何より伝えたいのは、言葉が犯罪になる可能性があるということ。
正義と暴力は紙一重ということをきちんと理解したうえでインターネットを使ってもらいたいということ、です。

僕が受けた中傷は……例えば、「人間のカス 菊池」「菊池殺す」といった言葉をネットの掲示板などに何度も書きこまれたもので、
書き込んだ本人にしてみたら、誰ひとりも悪口とは思わず、「悪を成敗している」気持ちなんですよ。

現代人の多くはネット社会のルールを知らずに“インターネット”に接しています。

車は、教習所に通って勉強し、試験に合格した人だけが路上で運転できるのに、ネットは、誰もがスマホを容易に手に入れて、その入り口に立てる。
教育を受けていないから、当然、事故は起きますよね。だから、子どもたちには僕と同じ経験をしてもらいたくないし、
何よりも加害者になってもらいたくないという思いで、僕の経験から得た「ネットにまつわる出来事」を伝えさせていただいています。

SNSは好意的に見てくださる方もいれば、はなから悪意や敵意を持って見ている人もいて、すべての人が味方というわけではない。
みんなが、TwitterInstagramをプライベート空間のようにして自分の情報を公開していますが、僕はさんざん揚げ足をとられてきたので、
常に、敵も泥棒もストーカーも、僕のSNSを見ているという意識でいます。

そして、Twitterで批判したり、「返事しろ!」などと執拗に絡んでくる人にはいっさい関わらないようにしています。
「交流」は、あくまでも自分と同じ価値観を持っている人との行為であって、批判的な人に対しては何も言いたくないんです。

執拗に絡んできた人を知るために、その人が他にどんなことをツイートしているのかを見てみると、人種差別やヘイトスピーチなど、人の批判が多かったりする。
そうした人と論争しても得るものは何もありませんし、SNSをストレスのはけ口にしている人がこんなにも多いんだと、現代に潜む闇に驚かされます。

本来、SNSは国境を越え、人種を超え、世界中の人たちと繋がれる素晴らしいツールなのに、
使い方次第で対立と憎悪を生むものになってしまっていることがとても悲しいですね。


リツイートにも発信の「責任」がある


多くの人がTwitterInstagramで情報を公開し、「インスタ映え」なんて言葉も流行っていますが、SNSで発信するうえで心がけてほしいことがあります。
まずは一度、感情を落ち着かせること。瞬間的な感情のぶつかり合い(のやりとり)がトラブルを生む。殺人事件にまで発展してしまう可能性だってあるんです。

ネット社会の病巣ですよね。そして、投稿する前に文章や画像に問題がないかをしっかり読み直す。
イライラしている時って、相手が良い人か悪い人かも分からないのに、軽い気持ちでリツイートしてしまったりします。

リツイートというのは「借金の連帯保証人になります」というハンコと同じ意味を持っている。
「私はリツイートしただけ」と言うかもしれませんが、それでもしっかりした証拠になります。

だから、責任を持ってリツイートしてください。イラっとしている時ほど情報を寝かせ、これを書いていいのかいけないのか、感情をコントロールしてください。
コントロールできない人はSNSに向いていません。

あとは、多くの人とコミュニケーションをとる。ネットの中だけじゃなく、家族や友人・同僚など、信頼できる多くの人に意見を尋ねてみて、そこから判断するようにしてください。(抜粋)
https://diamond.jp/articles/-/204744?page=3
https://diamond.jp/articles/-/204798?page=4