【老後2000万円問題】自民、金融庁に撤回要求 老後資産の報告書 公明代表も「猛省促す」

自民党二階俊博幹事長は11日、特定の無職世帯で老後資産が約2千万円不足するとの試算を示した金融庁審議会の報告書に関し、党として同庁に抗議したと表明した。党本部で記者団に「国民に誤解を与えるだけでなく不安を招いており大変憂慮している。撤回を含め厳重に抗議している」と述べた。

公明党山口那津男代表も記者会見で「与党に説明がなかった。いきなり誤解を招くものを出してきた。猛省を促したい」と批判した。

金融庁有識者会議が3日にまとめた試算は定年退職後に夫婦で95歳まで生きるには約2千万円の金融資産が必要とした。夫が65歳、妻が60歳以上の無職世帯だと毎月5万円ほど足りないという前提であり、退職金や貯蓄は考慮されていない。

安倍晋三首相は10日の参院決算委員会で報告書について「不正確であり誤解を与えるものだった」と述べた。麻生太郎金融相は「貯蓄や退職金の活用に触れることなく、誤解や不安を広げる不適切な表現だった」と答弁した。

2019/6/11 12:50
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO45935390R10C19A6EAF000/