【サッカー】栃木県内“なでしこ”減少続く 女子サッカーの登録5月末で844人に

未来のなでしこを目指す県内女子サッカー選手の登録数が2015年度の1008人をピークに減り続け、本年度は5月末時点で844人だったことが8日までに、県サッカー協会のまとめで分かった。競技人口はなでしこジャパンの活躍に伴い増減する傾向にあるという。県内の若手選手たちは、宇都宮市出身のDF鮫島彩(さめしまあや)も出場するワールドカップ(W杯)フランス大会で「女子サッカー全体が盛り上がる快進撃を見せてほしい」と期待する。日本代表は日本時間の11日午前1時から、アルゼンチンと初戦を迎える。

 6日夕方、宇都宮文星女子高のグラウンドに元気な声が響く。「ナイスシュート」「右サイド空いてるよ」。強豪として知られるサッカー部のメンバーたちが、試合形式の練習で縦横無尽にボールを追い掛けた。

 部長の伊東美和(いとうみわ)さん(17)は「フランス大会は時差の影響で真夜中のキックオフになるのは残念だけど、録画して絶対に見たい」と笑顔を見せた。副部長の池田千春(いけだちはる)さん(17)は「なでしこを目指すみんなの刺激になるようなプレーが楽しみ」と心待ちにしている。

 県サッカー協会によると、大会出場のため大半の選手が同協会に登録する。小学生から社会人までの女子サッカー選手の数は10年前の09年度が698人。W杯ドイツ大会で初優勝を果たした11年度は732人、ロンドン五輪で銀メダルを獲得した12年度は808人と増え、準優勝したW杯カナダ大会の15年度に過去最多の1008人となった。

 一方、リオデジャネイロ五輪アジア最終予選で出場権を逃した16年以降は、毎年度数十人単位で減少し続けている。「本県は中学や高校、大学への進学後に部活などの受け皿がなくて競技を辞めたり、有力な選手が県外へ流出したりするケースが少なくない」(同協会)という。

 2022年には、いちご一会とちぎ国体を控える本県。県スポーツ振興課は「国体を見据えた選手の育成と競技力の向上が求められる」と指摘し、女子選手の登録数の拡大を目指す同協会は「切磋琢磨(せっさたくま)し合うためにも競技人口の増加は欠かせず、なでしこのW杯での活躍に注目したい」としている。

6/10(月) 10:00
下野新聞SOON
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