【NY商品】原油が反落 米原油在庫の増加観測で売り 11日

https://www.nikkei.com/article/DGXLASQ2INYPC_R10C19A6000000/


NY商品、原油が反落 米原油在庫の増加観測で売り
2019年6月11日 5:06



【NQNニューヨーク=戸部実華】10日のニューヨーク・マーカンタイル取引所NYMEX)で原油先物相場は3営業日ぶりに反落した。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の7月物は前週末比0.73ドル安の1バレル53.26ドルで取引を終えた。米原油在庫の増加観測や米中貿易摩擦による原油需要の減少懸念を背景に売りが優勢だった。

WTIの現物受け渡し地点であるオクラホマ州クッシングの前週の原油在庫が増えたとの調査リポートが伝わった。同地の在庫は米国の原油需給を反映するとされており、需給悪化の観測につながった。

米中摩擦を巡る不透明感も重荷だった。トランプ米大統領が米中が合意に至らなければ20カ国・地域首脳会議(G20サミット)後に中国製品への追加関税を課すとの考えを示した。米中摩擦の長期化で世界景気が減速し、原油需要が低迷する可能性が意識された。

前週末終値を上回る場面もあった。米政権がメキシコからの全輸入品への関税発動を見送ると発表。投資家心理が上向き、株式と併せてリスク資産とされる原油先物にも買いが波及した。

ニューヨーク金先物相場は9営業日ぶりに大幅に反落した。ニューヨーク商品取引所COMEX)で取引の中心である8月物は前週末比16.8ドル安の1トロイオンス1329.3ドルで取引を終えた。対メキシコ製品の関税の発動が見送られ、投資家のリスク回避姿勢が後退した。実物資産の裏付けがあり安全資産とされる金先物は売りが優勢になった。

前週末7日に中心限月として2018年4月中旬以来の高値を付けた後とあって、目先の利益を確定する目的の売りも出やすかった。