【フィリピン沖】米露艦艇が異常接近、非難の応酬 ロシアの駆逐艦が後方から急速に接近-米海軍第7艦隊[6/8]

【ワシントン=海谷道隆、サンクトペテルブルク=畑武尊】米軍とロシア軍の艦艇がフィリピン海で異常接近した問題を巡り、米露両国は7日、非難の応酬を繰り広げた。米露両軍が接近する事例は各地で起きており、偶発的な衝突も懸念されている。

 米海軍第7艦隊の発表によると、現地時間の7日午前11時45分頃、米ミサイル巡洋艦「チャンセラーズビル」にロシアの駆逐艦が後方から急速に接近し、15~30メートルほどの距離まで迫った。

 シャナハン米国防長官代行は7日、外交ルートを通じ、ロシア政府に抗議する意向を表明した。第7艦隊は異常接近時の動画と写真も公開し、声明で「乗員と艦艇を危険にさらした。職業規範に反するものだ」と指摘した。シャナハン氏は記者団に「(ロシアの行動により)我々の活動が抑えられることはない」とも強調した。

 一方、露海軍太平洋艦隊は7日、米巡洋艦が突然進路を変更し、露駆逐艦「アドミラル・ビノグラードフ」に約50メートルまで接近したため緊急回避を強いられたと発表した。極東ウラジオストクを母港とするこの駆逐艦は4月下旬~5月上旬、黄海での中国海軍との合同演習に参加した。4月中旬には南シナ海フィリピン海軍との合同演習にも出ている。

 露軍は「米側に抗議し、このような行動は許し難いと指摘した」と非難した。

 米軍は今月4日、米哨戒機が地中海上空で3時間で3度にわたって露軍機に進路を妨害されたと発表した。これに対し、露軍は「シリアの露軍基地に米機が接近したための緊急発進」と反論した。

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讀賣新聞 2019年6月8日(土)