【米国】 北極圏でも中ロと対抗姿勢 国防総省が「戦略」発表

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米 北極圏でも中ロと対抗姿勢 国防総省が「戦略」発表
2019年6月9日 4時59分トランプ大統領

アメリカ国防総省は新たな「北極圏戦略」を発表し、ロシアと中国による北極圏での行動拡大がアメリカの安全保障を脅かす可能性があると指摘したうえで、両国の行動を抑止するため同盟国との連携やアメリカ軍の能力強化などの方針を示して、ロシアと中国に対抗していく姿勢を鮮明にしています。

このなかで、ロシアについては、北極圏でインフラや飛行場の整備を進め新たな部隊を創設しているほか、ロシアの規則に従わない外国船に軍事的行動も辞さない強硬な姿勢を示しているとしています。

また、中国については、北極圏に近接していないながらも、巨大経済圏構想「一帯一路」を北極圏にも拡大するなど、経済的・軍事的な存在感を増していて、将来的に潜水艦の展開を目指している可能性があるとしています。

3年前に発表された前回の「北極圏戦略」には、中国に関する言及はほとんどなく、今回の「戦略」は中国の動向を強く警戒した形です。

そのうえで今回の「戦略」では、ロシアと中国の行動を抑止するため、同盟国との連携やアメリカ軍の監視・通信能力の強化、それに大型砕氷船の建造を進めるアメリカ沿岸警備隊との連携強化の方針を打ち出しました。

沿岸警備隊もことし4月に独自の「北極圏戦略」を発表していて、トランプ政権は北極圏でもロシアと中国に対抗していく姿勢を鮮明にしています。