【医療】子宮頸がん予防の錠剤、京大チームが治験開始 女性が自らお膣に錠剤を入れる必要がある

2019年6月8日 14時51分
読売新聞オンライン

 京都大の研究チームは、子宮頸(けい)がんの発症を抑える薬の臨床試験(治験)を、4月に開始したと発表した。

 安全性と効果が確認できれば、2022年の承認を目指すという。

 子宮頸がんは、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が原因で発症する。感染すると約1%で子宮頸部にがんの前段階の病変ができ、このうち数%ががんになる。国内では年間約1万人が発症し、約3000人が死亡している。

 京大の萩原正敏教授らは、HPVの増殖に必要な酵素の働きを抑える化合物を開発。動物実験などでがん化を防ぐ効果を確認した。

 治験には、閉経後の健康な女性や病変がある患者ら計22人が参加。直径1・5センチの錠剤1~2錠を1日1回、最長2週間、自分で膣(ちつ)内に投与して安全性や治療効果を調べ、さらに人数を増やした治験を行う。

 子宮頸がんの予防を目的とするHPVワクチンは、小学6年~高校1年の女子を対象に定期接種の公費負担があるが、国は積極的勧奨を中止しており、ほとんど接種されていない。がんに移行する可能性が高い病変を見分けて切除する治療法もあるが、妊娠時に早産の危険性が高まるなどの課題がある。

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